耳石の精製(微量Line使用の場合)(動画作成中、解説・PDFあり)
【注意事項】これから実験を始める方の予習として、又は、既に実験を始めている方の復習としてご利用下さい。この動画や解説をみながら実験をするものではありません。実験は危険がいっぱいです。必ず実験に精通している方に教えてもらいながら安全に実験を行いましょう。
【必要物品】
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- φ6×50㎜石英管
- メルクの鉄
- さくらんぼ型の二股管
- 二股管用バルブ
- リン酸(生化学用)
- スポイト
- ドライアイス
- ウルトラトール
- エタノール
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1. 事前準備
① φ6×50㎜の石英管を1100℃、1hr焼く
→石英管は、鉄粉側に新品を、水トラップ側にはリサイクルを使用
→それぞれMill-Qで超音波洗浄10分行いよく乾かしたものを使用しマッフル炉で焼く
② 鉄の秤量
→メルクの鉄を使用
*通常、微量で使用するアルドリッチは使わない。48hr予備還元も不要*
→自動鉄粉秤量機で、鉄粉を4㎎量り取る
*φ6×50㎜用に自動鉄粉秤量機の設定を変更してご使用ください
③ さくらんぼ型二股管の準備
→6M HClに一晩漬けて、Mill-Q洗浄し、よく乾燥させておく
④ ドライアイスの注文
→ドライアイスは1サンプル/500gとする
→精製中の反応を止めるためにドライアイスエタノールを使うため+1㎏多く注文する
→注文は前日15時までに経理調達チームへ依頼書を提出する
*依頼書提出の際、ドライアイスが届いたら連絡をもらえるように伝える*
⑤ 1hr予備還元
→通常の工程で1hr予備還元を行う
2. 精製準備
① サンプルを秤量→記録
② サンプルをさくらんぼ型二股管の腕のない方へ入れる
③ サンプルの入っていない方へリン酸をスポイトで半量くらい入れる
→リン酸を入れる際、液だれしないようにスポイトの周りについたリン酸をBEMCOTTで拭いておく
④ 二股管用バルブにグリースを塗り、さくらんぼ型二股管に取り付ける
⑤ ドライアイスエタノールの準備
→流動性のあるドライアイスエタノールを作る
⑥ LN2エタノールを準備する
3. 精製スタート
①LN2エタノールを取り付ける
②ウルトラトールを用いてさくらんぼ型二股管をラインに取り付ける
③サンプル直近のバルブを開き、真空引き
④ドライアイスエタノールでリン酸を冷やす
⑤二股管のバルブを開く
⑥≦5.0×10-4まで真空引きできたことを確認する
⑦二股管のバルブを閉める
⑧サンプル直近のバルブを閉める
⑨さくらんぼ型二股管をラインから取り外す
⑩リン酸をサンプル側へ
⑪リン酸とサンプルを反応させ、CO2を発生させる
→反応が進まない場合は、適宜、ヒーターで炙る。80℃の恒温槽につけるなどする。
⑫ドライアイスエタノールを二股管の半分くらいまで漬け、反応を止める
⑬水トラップ側のバルブ2か所を閉める
⑭二股管のバルブを開く
→圧力計の針が動く
⑮CO2トラップ側のバルブを2か所閉める
⑯CO2トラップにLN2を設置
⑰水トラップとCO2トラップとの間のバルブを開き、CO2ガスをトラップする
→圧力センサーの値が下がり切り、Gage3の値が安定するのを確認する
⑱二股管のバルブを閉める→サンプル直近のバルブを閉める→水トラップとCO2トラップとの間のバルブを閉める
⑲バルブを1か所開き、不要ガスを真空引きする
⑳CO2トラップ直近でバルブを閉じる
㉑LN2を取り外す
㉒ヒーターで温めてCO2ガスの量を確認する
→多すぎるガスはGage3で17.3hPaとなるように調整する
㉓port奥にあるバルブを2か所閉める
㉔LN2をportに設置
㉕バルブを開き、CO2ガスをportへ移動
㉖⑪~㉕を繰り返す
㉗通常の工程でグラファイト化スタート
4. 片付け
①LN2
→デュアーへ戻す
②ウルトラトール
→分解し、メタル部分はアセトンで。O-ringはエタノールで超音波洗浄10分行う。
③さくらんぼ型二股管
→グリスを塗った部分を、石油ベンジンで拭き取る。
→バルブとO-ringはエタノールで超音波洗浄10分。
→リン酸をCタンク(緑10L)に廃棄。洗浄液もCタンクへ。
→さくらんぼ型二股管は水道水・Mill-Qで念入りにすすぐ。その後6M HClに一晩以 上漬ける。翌日Mill-Qでよくすすぎ超音波洗浄10分行った後、乾燥棚へ。
乾燥させた器具はユニパックに入れて、日付と洗浄済みと記入の上、元の場所に戻しましょう!!