グループB Diary Day3 (9/7)
今日は午前中いっぱいを大槌町への移動に費やしました。オーストリアでは、長距離を電車で移動することが一般的ではないようで、新幹線の写真を多く撮影していたのが印象的でした。
盛岡駅から大槌町に向かうバスの中で、Jackとさまざまななことについて話しました。両国のエネルギー政策についても話し、オーストリアは国土も広く、人が居住していない土地も十分にあるが、汚染への危惧から原子力発電を導入しておらず、火力発電に依存しているということを聞き、また、穀倉地帯である東北地方が、オーストリアの小麦ベルトに当たることも話しました。
大槌町でのアクティビティでは、津波の大きさが実感をもって伝わってきました。電柱の高さと同じ高さまで津波が到達したことを聞き、電柱を見上げてその大きさに圧倒されました。海を直接見ることはできない旧庁舎の場所でも、写真やガイドの方のお話から、そのような高さの津波に襲われていたことを知り、驚きを隠せませんでした。避難場所とされていた高台に登ったた際には、冬場で路面状態が悪く滑りやすかったこと、坂の斜度が高く登坂に労力が必要なことを考え、東日本大震災当時、なぜ多くの町民、特に高齢者が犠牲となってしまったのか、その原因について身をもって実感することができました。
ワークショップでは、3つの議題について話し合うことを通じて、いかに震災後の施策についての合意形成が難しいかということや、災害時に要求される選択の難しさに向き合うことができました。母と子のどちらを優先的に救命するかを選択する最初の議題では、その前に示された瓦礫の山の写真と相俟って、震災時に、救助に極めて不利な条件の下、残酷ともいえる選択を迫られていた、消防団員等、被災者の救助に当たっていた方々の心衷を思い、慄然とする思いでした。また、堤防の高さや被災建物の撤去に関する議論では、多様な要因が絡むトレードオフや、利害対立を前に班員の意見が対立し、歩み寄りの困難さを目の当たりにして、対立の激しい施策に関する合意形成の艱難を体感しました。