Group 5 reflection day 2
3限目:なぜ「国立」アイヌ民族博物館を設立したのか?
・アイヌ民族の歴史・文化等に対する国内外の正しい認識と理解を深めること。
・新たなアイヌ文化の創造と発展に寄与すること。
(どのように?)子供から大人まで楽しめる体験型キット、実演、教育普及活動 etc.. ・アイヌ民族を日本の先住民族として認識し、その尊厳を尊重する。
・将来のアイヌの世代に、文化と歴史に対する理解と認識を育む。
・アイヌ民族とは、日本の民族の中で、主に北海道に住む先住民族である。
自然やカムイを敬い、アイヌ語や歴史、文化を持つ。
・2020年7月、日本初のアイヌ文化に特化した国立博物館「NAM」が開館した。
他の民族博物館と比較してみると、NAMはやや遅い開館といえる。
eg. 国立アメリカンインディアン博物館(1989年設立)
ニュージーランド博物館(1998年設立)
オーストラリア国立博物館(2001年設立)
・NAMの使命は、まず先住民族であるアイヌの人々の尊厳を尊重すること。
そして、歴史と文化に対する正しい認識と理解を促進すること。
・「教育的側面」と「コミュニティとの協働」がポイント。(例:レプリケーション、再製作)
・もう一つの重要な目的として:
NAMが「アイヌは日本の内外に存在する」という視点に貢献すること。
地域コミュニティと共創していくこと。
4限目:カウラ脱走事件と日本人墓地
(1) 太平洋戦争に関する日豪の知識格差
日本にとって太平洋戦争は日米間の戦争と認識されているが、オーストラリアにとっては日米間の戦争と認識されている。 (2)カウラ脱走事件について
(カウラ収容所とは)
イタリア兵を収容するために作られたが、次第に捕虜となった日本兵を収容するために使われるようになっていった。 (いつ)1994年8月5日に勃発。
(別のキャンプへ移動することを知らされてから、わずか12時間後の出来事だった。)
(どのように)日本兵たちは非常に速い決断を下した。宿舎に放火し、建物を完全に崩壊させた。
しかし、武器はフォークやナイフなど、貧弱なものしか持っていなかった。
(なぜ)ただ生きるということへの羞恥心(軍人として死ぬことで名誉を守りたい)。
集団心理。手詰まり感。支配的なイデオロギー。
(結果)日本兵捕虜約230人が死亡。オーストラリア兵4名死亡。
兵士だけでなく、民間人で死亡した人もいた。
(3) カウラ日本人墓地
・カウラの墓地は、日本政府が日本国外で建設した唯一の墓地である。
・この墓地に埋葬された人々のために、カウラの地元民が主催する追悼式が行われている。
(4) 共存について:歴史と現在のオーストラリア
(戦争 vs 共存)戦争とは、殺すことによって相手を排除する行為である。そこに「共存」の可能性(相手との共存を考える余地)はない。
(現在)人々は共に生き、働き、学ぶ。融和する。多文化を受け入れる。歴史を受け継ぐ。
eg. https://cowravoices.wordpress.com
5限目:午前中の講義のまとめ
ディスカッション
「共生」を進める上で、博物館・記念館が果たすべき役割とは?
どうあるべきか?どのような「場」が可能か?
アイヌとカウラの歴史をどう伝えるか?誰に対して?そして、なぜ?
3.11の地震、津波、原発爆発などの災害は?
- 対話から学び、教訓とすることで、将来の災害への備えや、次の戦争を防ぐことができる。
- 博物館や記念碑、歴史の伝承は、相手の歴史や文化を感じ、知り、理解することで
私たちに影響を与える。「自分が存在し、相手も存在する」ことを認識することができる。
ワークショップ-1:シングルステージAMS
・少量の試料でδ14Cを用いた年代測定が可能であり、感度が高い。
また、δ14Cを用いることで、試料がどこから来たのかがわかる。
・AMSは、放射性炭素同位体比を測定するための高感度な地球化学分析装置である。
・質量分析計は、イオン源、磁石、検出器から構成されている。
- 質量分析計は高度な分析のために、不必要なノイズを完璧に除去する必要がある。
そのため、AMSは目的の同位体のみに対応するように設計されている。
- 対してICPMS(10,000°Cのプラズマ源を使用)は、同位体の量とその比率を測定する。
ワークショップ-2:共生の哲学
倫理的とは?倫理的な問題とは・・・深刻な問題なのか?
例:
AI https://delphi.allenai.org
脳組織 https://www.newscientist.com/article/2301500-human-brain-cells-in-a-dish-learn-to-play-po ng-faster-than-an-ai/
実用的、倫理的に開発はできるかどうか
https://go.gale.com/ps/i.doid=GALE%7CA639696126&sid=googleScholar&v=2.1&it=r&linkaccess=abs&issn=00280836&p=AONE&sw=w&userGroupName=anon%7E4f854e8
「中国語の部屋」機械にとっての「意識」とは? http://occult.xxxblog.jp/archives/2012917.html
Q. CAAを作ることはできるか?
Q. CAAは作るべきなのか?
Q. CAAの倫理とは?
<そもそも意識とは何なのか?>
・哲学者の議論における意識とは、「現象意識」と呼ばれるものを指す。
・現象意識は、意識の主観的で質的な側面であり、さまざまな哲学的な基本問題につながる。
・私たちの経験や体験、私たちの物理的・生物学的な側面と関係する。
Discussion
CAAsに関する二つの重要な質問に対して話し合った。
CAAsを作ることはおそらくできない。
CAAsがあれば、私たちが考えるべき倫理的問題が存在してしまう。 奴隷の新しい形が起きうるし、CAAsに不必要な負担を押し付けるべきではないことも認識しておく必要がある。
6限目:福島県
Summary
・福島県:東北日本の一部。太平洋に面し、原子力発電所を擁する。
・震災前後での原子力発電所に対するイメージのギャップ
震災前:二酸化炭素排出の抑制に役立つクリーンなエネルギーのイメージ
震災後:放射性物質による地域への脅威、危険なイメージ→風評
Discussion
・音声だからこそ伝えられる真実の姿、実際の人々の様子。
・先入観のないピュアな情報。
・視覚的な情報がもつ特徴、音声的な情報がもつ特徴。
・日本: 東京都と千葉県で3人が3.11を体験。
・ロンドン:風評被害が大きく広がった。原発事故の事実が、真実の情報より広く伝わっている。
・オーストラリア:水、魚などに対する関心が高い。(海を通じて原発の爆発の影響を受けるかもしれない。)
・風評被害は、産業(放射能)汚染によって生じた。
・フェイクニュースを作るのに、どのようなメディア(音声・映像)を使うかは関係ない。 むしろ、意図的な編集の有無やピアレビューの欠如が関係している。
・風評を避けるために、福島のイメージを改善すべき。 ・震災に関する報道が少なくなってきているので、風評を減らすためにもっと情報を提供すべき。
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<ここまでのLectureを通して>
・これまで、私たちは異なる側面から「共生」について学び、考えてきた。
アイヌ、カウラ、フクシマ、そして人工知能と人間。
・それぞれにおける「共生」のキーワードは何か?
アイヌ:アイヌの人々と本州の人々。言語と文化の違い。
カウラ:日本とオーストラリア。異なる国。戦争(共生はない)
フクシマ:日本の中で・・・福島県の中と外の人々。
世界で・・・・・日本と日本以外の国。風評。恐怖。情報。イメージ。
人工知能:現在意識。理解とは。意識とは。
・あらためて、「共生」とは何か
多様性を尊重し、他者を受け入れる。
歴史に学び、歴史を活かして、さまざまな人がお互いに生きやすい社会を作り維持すること。
さまざまなスケールの人間関係、国家関係、人間社会で。