Group E reflection day 3
これまでの2日間は、自然災害についての科学的事実の講義がメインだったが、今日はそうした災害の結果として起こる倫理的なジレンマなどについて議論することを通じて、災害が実際にもたらす影響などについて考えを深めた。そして正解のない問題について「決断」を下さ なければいけないことの難しさに直面した。
論理的な主張の青派と感情的な主張の赤派という、正反対の2つの立場に分かれて議論する中では1つの立場に留まることが難しく、結論が出ずに議論が終わることも多かった。これはメンバーの1人が言っていたように、まさしく「科学が解決できない数少ない問題の1つ」である。
2つの選択肢を提示されたときに、もう一方の意見側に異を唱えるのは自然なことだが、2つの意見の間を取るというのも新しいひとつのコミュニケーションのやり方である。これは災害からの復興における倫理的な問題を議論するときにも応用できる。意見の対立を避けるためには、たとえば「全員の目標は二度と津波で亡くなる人を出さないこと」と神谷さんが言ったように、お互いに共通の着地点を探ることが重要である。さらに、一人一人の背景と性格、そしてそれらがどのように個人の意思決定に影響しているかを理解することは極めて重要である。そしてお互いの眼を見て共感を得ることも必須である。
グループEのほとんどの人は、大槌町についての講義をうけて、復興の過程が外から見て思っていたのと全く違っていたことに気づいた。今までは、外部の立場から、災害のあとの復 興の進む遅さを言及したり、なぜ被害のあった海岸部から引っ越さないのかと疑問に思ったりしていた。しかし、講義を通して、被災者が抱える感情や倫理的な問題を知り、この考えは変わった。答えは簡単にでるものではなく、倫理的なジレンマに直面した時、私たちはこのことを考慮して考えなければならなかった。この経験で、私たちは被災者に対して、感情的にも理解を深めた。